こんな疑問にお答えします。
日本ではできないような面白い体験ができましたよ。
この記事でわかること
- アムトラックの個室ルーメット体験レポート
- アムトラックの座席・個室の種類
- アムトラック寝台車を使うメリット・デメリット
- アムトラック寝台列車旅の反省点
- アムトラックの予約方法
アムトラック寝台列車の個室ルーメット体験レポート
筆者は夫と2人でルーメットに宿泊してきました。その時の様子をお伝えします。
シカゴからニューヨークまでの料金
私たちが利用したのはレイク・ショア・リミテッド号です。
シカゴのユニオン・ステーションからマンハッタンのペン・ステーションまで1泊2日、約20時間の旅でした。
料金はルーメットの2人利用で798ドルでした。時期によって600~900ドルくらいの幅で変化します。
料金は飛行機で行った場合と同じくらいか飛行機の方が安いです。移動時間や食事付きであることを考えるとしょうがないですね。
ちなみにベッドルームはルーメットの価格プラス1000ドルくらいしていました。
しかし出発1週間くらい前にメールで「ルーメットの人は170ドルの追加料金でベッドルームにアップグレードできるよ」とのお知らせが届きました。
このタイミングでアップグレードしていたら格安料金でベッドルームを利用できていたと思います。
駅のラウンジ
個室利用客は全員主要駅のラウンジを無料で利用できます。
ここでは私たちが利用したシカゴのユニオン駅のラウンジを紹介します。
ユニオン駅に入ると立派なホールがあります。
ホールの近くにラウンジの入り口があります。
入ってすぐにあるカウンターでチケットを見せて奥に入ります。
ラウンジは結構広かったです。写真に写っていない場所にもソファーとテーブルがたくさん並んでいました。
夜9時過ぎだったからか席は4割くらいしか埋まっていませんでした。
ラウンジには軽食が並んでいるカウンターがあり、無料で利用できました。
お水やコーラ、スプライトなどのドリンクも用意されています。
こちらはアメリカのカップラーメンです。
こちらでお湯を入れます。
ティーパックやインスタントココアもありました。
ラウンジにはきれいな共用トイレがありました。列車内の洗面所は小さいので、洗顔や歯磨きはラウンジのトイレで済ませておくのがおすすめです。
ラウンジの電光掲示板には発車予定の列車が表示されます。
発車時間が近づくとラウンジ前に集合するようにアナウンスが入ります。
乗客が集まったらスタッフが先導して列車まで移動します。駅のホームに着くとたくさんの列車が並んでいてワクワクします。
ルーメット室内
車両の入り口で係員さんに部屋番号を伝えます。違う車両だったら案内してくれます。
ルーメットの車両に入り、部屋番号を頼りに部屋を探します。
私たちは夜に乗車したので既にベッドメイキングされていました。
部屋は狭いので2人一度に立つスペースはありません。1人がベッドに座ってやっと2人とも入室できました。
スーツケース置き場にも困るので、預けておくのをおすすめします。
各部屋には簡易洗面台が付いていました。
ボタンを押している間だけ水が流れます。顔を洗うのはかなり厳しいですが、歯を磨くには十分な大きさです。使わない時は収納できます。
洗面台の下部分を開けるとなんと水洗トイレになっています。
各部屋にトイレがなく、代わりに共用トイレが用意されている車両もありました。
アメニティはタオル、石鹸、シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、ボディローションがありました。共用のシャワーで使えます。
1人1本ペットボトル水も付いていました。
逆サイドにはハンガーラックがあります。
壁には温度調整のダイアル(単位は℃じゃなくて℉)とスタッフを呼ぶためのボタン、
電気のスイッチとエアコンの出力調整ボタン、
スピーカーの音量調整ダイアルが付いています。音量を大きくしたら音楽が聞こえてきました。
ひじ置きの下にはゴミ箱とティッシュが設置してありました。
ベッドの上段はこんな感じ。トイレの蓋を閉めて階段のようにして登ります。
落下防止用のベルトがあるので安心です。壁にはポケット収納が付いています。
小さいスーツケースが2つ入る大きさの収納もありました。ただ、高いところにあるので重いスーツケースを入れるのは難しそうです。
ベッドは硬めでしたが、意外とちゃんと寝れました。ブランケットは1人2枚用意されており、エアコンも付いていたので3月でも寒くなかったです。
翌朝、食堂車で朝ごはんを食べて帰るとスタッフさんかベッドを座席に変えてくれていました。
窓際には折り畳み机とペットボトルが置けるスペースが付いています。
個室は思いっきりくつろげる点が良かったです。
共用のトイレ
筆者は「部屋のトイレを使うのはちょっと…」と思ったので、終始共用のトイレを使っていました。
共用トイレは座席車両に2つずつありました。
中はこんな感じ。きれいではないですが、広さはあります。
共用シャワールーム
ルーメット車両には共用のシャワールームが付いていました。
中はこんな感じ。
バスタオルや石鹸などのアメニティも用意されています。
私たちは1泊だったのでこちらは使わず、ホテルに帰ってからシャワーを浴びることにしました。
食事
食事は3食無料で付いてきます。ドリンクはアルコール以外無料です。
ルームサービスもできますし、こちらの食堂車でも食べられます。
窓が多くて景色が見やすくなっています。食堂車はいつでも利用可能でした。
混みあっている時は相席になります。
メニューはこちら。各部屋にも置いてあります。
私たちが乗ったレイク・ショア・リミテッド号ではFlexible Diningという簡易ダイニングが採用されており、食事はすべてレトルトでした。
より走行距離の長い寝台列車ではTraditional Diningが採用されており、レストランのような食事が出てきます。
こちらは朝食のオムレツとソーセージ、ベイクドポテトです。まあまあ美味しかったです。
こちらはパンケーキとソーセージです。味はまあまあ。けっこう甘かったです。
ランチには牛肉煮込みと
ローストサーモンを注文しました。
プラスでサラダとブラウニー、
パンが付いてきました。
どれもレトルトなので味はまあまあでした。
車窓からの景色
列車旅の楽しみの1つが車窓からの景色です。
シカゴ-ニューヨーク間の道中はほとんど藪だらけだったのですが、ニューヨークに近づくにつれて視界が開けて美しい景色が見れました。
アメリカの川は幅が広くて流れが緩やかなので、ゆったりとした景色が楽しめます。
マンハッタンに差し掛かるとビルが見えてきました。
私たちはちょうど川がある方向を向いた部屋だったので景色がきれいに見えましたが、反対側の部屋だったらかなり違った景色だったかもしれません。
ベッドルーム以上の個室はすべて川の方向に窓がありました。
治安
アムトラックの寝台車の治安は良いように感じました。騒いでいる人やマナーの悪い人はいませんでした。
女性2人で泊っている方たちもいましたし、お昼は換気のためか個室のドアを開けっ放しにしている部屋もちらほらありました。
個室は心配であれば鍵を掛けておけます。
何があったらスタッフさんが対応してくれるので安心して利用できました。
アムトラック寝台列車の座席・個室の種類
アムトラックの寝台列車予約時には座席か個室どちらかを選びます。ここでは座席と個室の種類を紹介します。
一部の座席または個室が無い路線もあります。
アムトラックの座席
座席はCoach、Business、Firstの3種類です。各車両には共用のトイレがあります。
普通座席のCoach(コーチ)
一番安い座席です。足元が広めのリクライニングシートで、テーブルと読書灯とコンセントが備わっています。
ビジネスクラス座席のBusiness(ビジネス)
Coachの設備にプラスして、より広くてフットレスト付きの快適な座席です。
ファーストクラス座席のFirst(ファースト)
2人または4人で対面で座れるテーブル付き座席です。すべての座席にはフットレスト、コンセント、無料Wi-Fiが付いています。
さらに優先搭乗、アメニティ、食事とドリンク無料、駅のラウンジ無料利用の特典が受けられます。
アムトラックの個室
個室にはRoomette、Bedroom、Bedroom Suite、Family Bedroom、Accessible Bedroomの5種類があります。
個室の共通特典
すべての個室では以下の特典が受けられます。
- 食事とドリンクが無料
- 無料Wi-Fi利用可
- 主要駅のラウンジ利用が無料
- 専任アテンダントによるベッドメイクとシートアレンジ
- 寝具、タオル、ペットボトル水付き
最安個室のRoomette(ルーメット)
2人用の一番安い個室です。
日中は向かい合わせの座席になっており、夜は2段ベッドになります。シートアレンジはスタッフがやってくれます。
各車両には共用のトイレとシャワーが付いています。(トイレが各個室についている車両もあります。)
より広い個室Bedroom(ベッドルーム)
Roometteの2倍の広さがある2人部屋です。各部屋にトイレ、洗面所、シャワーが付いています。
シートは夜は2段ベッド、日中はソファーになります。加えてイスが1つ付いています。
快適な個室Bedroom Suite(ベッドルーム・スイート)
Bedroom2つを繋げた部屋です。Bedroomの倍の広さがあり、4人まで泊まれます。
各部屋にはトイレ、洗面所、シャワーが付いています。
2つある2段ベッドは日中はソファーとして使えます。加えてイスも2つ付いています。
4人まで宿泊可のFamily Bedroom(ファミリー・ベッドルーム)
大人2名と2~12歳の子供2名が宿泊できる部屋です。
2段ベッドが2つあり、昼は4人掛けソファーになります。トイレとシャワーは共用です。
車いすでもOKなAccessible Bedroom(アクセシブル・ベッドルーム)
車いすで入るのに十分な広さがある部屋です。大人2人が泊まれます。
各部屋にトイレ、洗面所があり、部屋の近くにプライベートシャワーが用意されています。
シートは夜は2段ベッド、昼はイスになります。
アムトラック寝台列車のメリット・デメリット
移動方法は寝台列車以外にもたくさんありますよね。ここでは移動にアムトラックの寝台列車を使うメリットとデメリットを紹介します。
メリット
面白い体験ができる
アメリカの寝台列車で移動するなんてなかなかできない体験です。
日本にも寝台列車はありますが、1泊もしなくても目的地に着いてしまうことが多いのであまり利用しないかと思います。あっても高額なことが多いです。
アメリカは国土が広い分、寝台列車を利用できる機会が多いです。一度利用してみるといい思い出になります。
景色が良い
景色は列車旅の醍醐味ですよね。
私たちが利用したレイク・ショア・リミテッド号は藪の中や田舎街を通ることが多く、ずっといい景色が見られたわけではないですが、それでもニューヨーク付近では運河を望む素晴らしい景色を楽しめました。
特にシカゴ-サンフランシスコ間を結ぶカリフォルニア・ゼファー号は2泊3日の旅になりますが、ロッキー山脈の雄大な景色を楽しめるとのことで人気です。
移動自体がイベントになる
アムトラックでは移動自体がイベントになります。
寝台車で寝たり、食堂車で食事をしたり、景色をゆっくり眺めたりと移動中も思い出づくりができます。
デメリット
車両・設備が古い
アムトラックの車両は古いことが多いです。きれい好きの方は気になるかもしれません。
一方で私たちが乗ったレイク・ショア・リミテッド号には新しくて寝台車両もありました。車両の指定はできないのでどこになるかは運です。
時間が掛かる
列車移動は飛行機の何倍もの時間が掛かります。日程に余裕がある方向けです。
動き回れない
移動中は列車から出られないので大半を座って過ごすことになります。
到着まで50時間以上掛かる路線に乗るとそういう生活が2日以上続きます。
ゆっくりできて良いと思う方には向いていますが、動けないとストレスが溜まる方は長距離列車は避けた方が良いかもしれません。
アムトラック寝台列車旅の反省点
アムトラック寝台列車の旅は面白い体験ができて良かったのですが、こうすればもっと楽しめたかなという反省点もありました。
これから行く方の参考になればと思います。
ラウンジで洗面・歯磨きを済ませておく
列車内の洗面台はとにかく小さいですし、ボタンを押している間しか水が出ません。
ラウンジのトイレの手洗い場はきれいで広かったので、そこで洗面と歯磨きは済ませておくと楽です。
スーツケースは預ける
ルーメットに泊まる方はスーツケースは預けておくのをおすすめします。スーツケースを置くと人が立てるスペースがほとんどなくなります。
景色のきれいな時期に行く
私たちは3月下旬に行ったのですが、シカゴやニューヨークがある北部地域まだ冬で草原や木が軒並み茶色でした。
同じ場所でも植物が緑の方が景色が良いと思うので、次は夏に行きたいなと思いました。
食事を楽しみたければTraditional Diningの列車を選ぶ
私たちが乗ったレイク・ショア・リミテッド号ではFlexible Diningが採用されていたので食事がすべてレトルトでした。
Traditional Diningの列車であればレストランのような食事が出るのでもっと楽しめたのかなと思います。その分値段は上がりそうですが。
Traditional Diningが採用されている列車はこちらに書いてあります。
アムトラック寝台列車の予約方法
アムトラックの列車は公式HPから予約できます。
目的地、日付、乗車人数を入力して簡単に路線検索、予約ができます。
予約後の日程や時間の変更手数料は無料です。さらに購入から24時間以内のキャンセルは無料です。キャンセルポリシーはこちら。
おわりに:アムトラックの旅の感想
アムトラックの旅はめちゃくちゃ面白かったです。すべてが冒険の連続でした。
ラウンジ利用からの個室で一泊、食堂車で食事をし、読書をしながら景色を眺める…圧倒的非日常の空間でした。
決してラグジュアリーな旅ではありませんでしたが、一生の思い出作りができたと思います。
アムトラックは主要都市を結んでいるので2都市以上回る予定なら使うチャンスです。
その場合はぜひシティパスも使ってみてください。観光地の入場料が割引になる、アメリカでは有名なサービスです。
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