こんな疑問にお答えします。
この記事でわかること
- 海外からの里帰り出産ではいつ日本に帰国すべき?飛行機は乗っても大丈夫?
- 海外から里帰り出産で母子手帳・出産一時金はどうなる?
- 海外にいる間に行うべき里帰り出産準備
- 海外から里帰りした後の手続き
海外からの里帰り出産ではいつ日本に帰国すべき?
筆者が通っていたアメリカの産婦人科の医師に確認したところ、妊娠7か月までに帰国するように言われました。
帰国時は飛行機に乗っている時間だけでも14時間ほどあるため、リスクを考えてるとそれくらいまでがベストだそうです。
帰任が早められなくても妻だけは先に帰国すべきと言われました。
わが家は夫の帰任が元々妊娠8か月の時期になっていましたが、数週間早めてもらえらので妊娠7か月の時に一緒に本帰国しました。
海外からの里帰り出産、飛行機は乗っても大丈夫?
航空会社の妊婦に対する対応
筆者はデルタ航空でアメリカから日本に帰国しました。
デルタ航空では妊婦の利用に対して特に制限や書類の提出は求めないと公式HPに記載があったので、妊娠7カ月でも通常時と同じように飛行機を利用してきました。
妊娠8か月以降の搭乗に関してはお医者さんの意見を仰ぐことを推奨するそうです。(参考:デルタ航空公式HP)
妊婦に対する対応は航空会社によって異なります。
詳しくは航空会社のHPに載っています。
主な日系航空会社の対応は以下のリンクから確認できます。
出産予定日を含めの28日以内に搭乗する場合、JALもANAも非常口座席の利用は不可で、搭乗前に診断書の提出が必要です。
妊婦におすすめの座席
非常口座席以外
非常口座席に座っている乗客は非常時に緊急脱出装置の展開を手伝う必要があります。
非常口座席は通常の座席より足元が広くて快適ですが、非常時の対応は妊婦にとって負担が大きいので非常口座席以外をおすすめします。
通路側でトイレに近い座席
お腹が大きくなるととにかくトイレが近くなります…
長時間飛行では何度もトイレに行くことになります。
そのため、通路側かつできるだけトイレに近い座席を指定するのをおすすめします。
客室乗務員さんが飲み物や機内食を配っているときは通路が塞がりますが、トイレから近い座席だと通り道が確保しやすいです。
できるだけ良い座席
お腹が大きくなってからの長時間フライトにエコノミークラスはおすすめできません。
エコノミークラスでは普通に座っていても膝が前の座席の背もたれに付きそうになるくらい狭いです。
デルタ航空のメインキャビン(いわゆるエコノミークラス)はこれくらいの座席幅です。
リクライニングもほとんど倒れません。
お腹が大きい妊娠は足の血流が妨げられるので、狭い座席は辛さ倍増です。エコノミークラス症候群のリスクも上がります。
足が伸ばせて、できればフットレスト付きの座席がおすすめです。
プレミアムセレクトで帰国した時の様子はこちら。
本当はビジネスクラス(デルタ航空で言うデルタ・ワン)が一番良いのですが、飛行機代が倍以上になってしまうのでお財布との相談です。
実際にアメリカから帰国した感想
筆者は妊娠7か月の時にアメリカから日本まで約14時間のフライトを経験しました。
その後、電車と新幹線で約1時間半移動し、駅からは車で30分かけて滞在先のホテルに行きました。
空港や駅で待機していた時間を含めると合計約20時間の移動となりました。
時差ボケもあってめちゃくちゃ疲れましたが、体調が悪くなることもなく無事到着できました。
ただ、エコノミークラスにしていたらもっと過酷な旅になっていたと思います…
海外から里帰り出産で母子手帳はどうなる?
海外であっても日本人がたくさん来る病院では初診で母子手帳をもらえることがあります。
アメリカでもらった母子手帳はこちら。
母子手帳をもらえなかった場合の対応は外務省の公式HPで紹介されています。
または帰国して住民票を登録し、妊娠を届け出るとその場で母子手帳をもらえます。
そもそもアメリカでは母子手帳は使われていないので、妊婦健診に持っていっても何も書き込んでもらえません。
妊婦の情報や妊娠記録のページだけ自分で埋め、帰国後に産院でそれ以降の健診内容を記入してもらうことになります。
海外にいる間に行うべき里帰り出産準備
日本で通う産院を選ぶ
里帰り出産を決めたらまずは日本で通う産院を選びます。
家で陣痛が来ても大丈夫なように日本で住む予定の場所から遠すぎない産院にします。
無痛分娩を希望する場合は家の近くで無痛分娩をやっている産院を探します。
ただし日本では無痛分娩が一般的ではないので、24時間無痛分娩に対応している産院とそうでない産院があります。
24時間無痛分娩に対応していない産院で出産を決めてしまうと時間帯によっては自然分娩になる可能性があります。
確実に無痛分娩にしたい場合は無痛分娩に24時間対応している産院を選びましょう。
24時間対応してない産院を予約してしまっていても、妊娠32週より前でかつ家から通える範囲に24時間対応している産院があればそちらに転院が可能でした。
筆者が日本で最初に通っていた産院には麻酔科医が平日の日中にしかいないので、それ以外の時間に陣痛が来た場合、自然分娩になると説明を受けました。
そこでは陣痛が自然に起こるのを待った場合、無痛分娩になる確率は五分五分だそうです。
計画無痛分娩にしても促進剤で陣痛が来ない人もいるので、無痛分娩になる確率は少し確率上がる程度と言われました。
転院を希望すると転院先の産院に直接電話して空きを確認してもらえ、紹介状も書いてもらいました。(紹介状代は数千円でした。)
できるだけ早く受診してくださいとのことだったので、同じ週内で診察予約を取って受診しました。
受診時は妊娠32週に入っていましたが、問題なく対応してくれ、初診時に分娩予約も取れました。
日本で通う産院の分娩予約をする
妊娠がわかったらできるだけ早く産む予定の産院の分娩予約をします。
ですが念のため候補にしていた産院に2件に電話してみるとどちらからも「分娩予約が埋まってしまう可能性が高いのでできるだけ早く予約してください。」と言われました。
特に無痛分娩は妊娠8週辺りで予約しておかないと予約が埋まってしまうそうです。
分娩予約をするにはまず産院に電話して妊娠した旨を伝え、希望する分娩方法の空き状況を確認します。
電話では以下を聞かれました。
- 妊婦の名前
- 電話番号
- 出産予定日
空いていたら本人か代理人が産院に来て分娩予約をするように言われます。
海外にいる場合は実家の家族などに頼んで産院に行ってもらって分娩予約をしてもらいます。
代理人に頼む場合は電話で聞かれた上記の情報と保険証または保険証の写しを代理人に渡しておきます。
分娩予約ができたらしばらくは特にやることはありません。
帰国の数週間前には初回の妊婦健診の予約をし、帰国後に産院を受診します。
本当は妊娠20週までに一度来院してほしいと言われましたが、海外在住で無理ならしょうがないとのことでした。
海外の産院で検査結果をまとめた書類をもらう
日本の産院に電話した際、海外で通っている産院でそれまでの検査結果をまとめた書類を作成してもらい、初診時に提出してくださいと言われました。
書類はすべて英語で書かれていましたが、日本の産院で問題なく受け取ってもらえました。
海外から里帰りした後の手続き
転入届を出して住民票を入れる
帰国したらまず役所に転入届を出して住民票を入れます。
転入手続きにはパスポートが必要です。
入出国スタンプも確認されるので押してもらうのをお忘れなく。ない場合は航空券など入出国日がわかるものを持っていきます。
本籍を置いていない市区町村に海外から転入する場合は戸籍謄本と戸籍の附票が必要なこともあります。筆者の場合はパスポートだけでOKでした。
住民票を入れて役所または保健センター(場所は自治体によって異なる)に妊娠を届け出れば妊婦検診補助券がもらえます。
日本では妊婦健診に保険が効かないので、妊婦健診補助券がなければ健診費用は自腹で払うことになります。妊婦健診補助券を提出すれば健診費用の多くを住民票がある自治体が負担してくれます。
他にもパパママ教室や予防接種などの案内や、希望すれば母子手帳ももらえます。
産院を受診する
帰国したら早めに産院を受診します。
初診には以下を持っていきます。
- 身分証明書
- 母子手帳
- 妊婦検診補助券
- 海外の産院での健診結果をまとめた書類
- 現金(カード払いできない産院の場合)
海外からの里帰り出産で出産一時金はもらえる?
出産一時金は日本の健康保険に加入していればもらえます。
出産一時金の直接支払い制度を導入している産院であれば退院時に払う費用は出産費用と出産一時金の差額だけで済みます。
おわりに:海外と日本どちらで出産するか
海外で妊娠した方は海外と日本どちらで出産するか迷うかと思います。
日本で産むメリットは
- 日本語が通じる
- 勝手がわかる
- 親の援助が受けられる
- 夫が育休を取れる(本帰国する場合)
デメリットは
- 夫と何か月も離れる(本帰国しない場合)
- 行き帰りの飛行機が大変
- 無痛分娩に対応していない産院が多い
です。一方で海外で産むメリットは
- 夫と一緒に育児を始められる
- お手伝いさんを雇いやすい
- 妊娠中に長時間移動しなくていい
- 無痛分娩が利用しやすい
デメリットは
- 慣れない外国で育児が始まる
- 基本英語か現地語(病院によって通訳サービスあり)
- 親の援助を受けにくい
です。
筆者はたまたま本帰国の時期と妊娠が重なったので日本で出産することにしましたが、そうでなければアメリカで出産していたと思います。
理由は行き帰りの(特に乳児を連れての)飛行機が不安ですし、初めから夫と育児をしたかったからです。
筆者が通っていた産院には日本語通訳がいましたし、産後は日本語が通じるお手伝いさんを雇えると聞いたので、アメリカで産むハードルは低かったです。
幸い日本でも無痛分娩に24時間対応している産院に通えましたが、そうでなければ尚更アメリカでの出産を望んだと思います。
もちろん、事情は人によって異なるので里帰り出産の方がメリットが大きいと感じる方もいらっしゃると思います。
本記事が満足のいく出産・育児の参考になれば幸いです。
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